陽松庵ほのぼの日記

毎週日曜日に参禅しています。坐禅会後も陽松庵でご奉仕させて頂いています。坐禅や陽松庵の良さを少しでも知って頂きたいと陽松庵での事や感想、想い、神社仏閣参拝記録などを綴っています。

天桂伝尊逸話 返事をした木像

坐禅にご興味のある方はこの記事もどうぞ

cusityikaruba.hatenablog.com

 

 

 

龍谷ミュージアムにて開催されている

仏像ひな型の世界Ⅲを観に行ってきました

 

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先日の坐禅会で参禅者のY氏が先に観に行かれていて

ひな形って大きいものかと思っていたら

すごく小さくてビックリしたとの感想を聞き

これは是非ともいかなくちゃと思い3月に行く予定

でしたが予定を早めて観に行って来ました。

 

展示物の写真撮影が禁止されていたので実物写真を

掲載できませんが龍谷ミュージアムで頂いてきた

資料を代りに掲載します

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一番下の像が天桂禅師です

 

高さ11.2cmで手のひらサイズでした!!

 

禅師75歳の時に作成されたものでした

 

と言う事は開山堂の天桂禅師像も75歳の

時のお姿ということですね~

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和尚さん以下参禅者の皆さんは広告の

ひな型の像と開山堂の天桂禅師像がそっくり

と言うのですが

私には開山堂の天桂禅師像のほうが穏やかな

顔つきに見えていたのでそれも確かめてみたいと

の思いもありました

 

結果やはり私には開山堂の天桂禅師像の方が

どうしても少し穏やかな顔つきに見えます

 

ひな型の像の方がキツイ顔付きというより

怒りに満ちた顔付きに見えました

 

でもそれも天桂伝尊の逸話を読んで納得しました

 

逸話によると

 

天桂禅師は晩年開山堂に安置する自分の木像を

京都の仏師に注文し

仏師は生前の生き写しでは開山堂に祭る木像としては

人相が恐ろし過ぎるので少し和らげて刻み上げた

 

仏師はその木像を恐る恐る禅師に見せると、禅師は

「俺はこんな比丘尼の小便臭い顔はしておらぬぞ、作り直せ」

と大喝した

 

平常でもつかみかかりそうな面構えであるのに怒って大喝した

顔は正に鬼面であった。

仏師は恐ろしくて震いあがったが天桂の特徴がはっきりつかめた

 

とあります

だからひな型の像の方が怒りに満ちた顔付きに見えるのかも…

と勝手に納得しています(笑)

 

まだ続きがあります

 

 

仏師は早速その印象を木像に彫刻して容貌魁偉(ようぼうかいい)

の豪僧に仕上げて参上した。

すると天桂は大いに気に入り

「今度のは俺の木像だ、俺の眉毛を植えてやる」と言って

自ら毛を抜いた

また出来た木像を開山堂に安置した際

「俺の木像は俺が點眼(てんげん)する」と言って木像の前に

前進した天桂はしばらく木像とにらめっこをしていたが木像に

「天桂」と大喝した

すると木像が「オイ」と返事をしたという

それほど天桂に生き寫し(うつし)の木像である

とありました

 

ちなみに最初の木像は天王寺の蔵鷺庵(ぞうろあん)に

安置されているそうです

 

天桂禅師は気性が激しく卍山道白とも対立し、

その考え方は近年まで異端視されていたそうですが

最近は禅師の著書の正法眼蔵弁註の研究も進み

考え方が見直されてきているそうです

 

また、天桂禅師は猫好きだったそうで

見えにくいかも知れませんが

禅師の木像左足元にも

猫ちゃんの像がありますよ!

 

猫を可愛がる禅師はきっと優しかった

んだと思います(笑)